日々の出来事
三月、お雛様の日、箱根のホテルで目覚めた。豪華なもんだぜ。 大きな部屋の中の、大きなシングルベッドが二つ並んだ、右側のキャンバスのような縦長の窓には、緑が美しい山肌の斜面に、白い蒸気が噴き出し揺れ…続きを読む
夏の木陰
「どこの誰のお引き合わせか分からないけど、この4人で昼飯を食えて本当に嬉しいよ。今日のことを考えて昨日はほとんど眠れなかったよ」。 64才にもなる男が、まるで子供のようにはにかんで喜びを隠そうとしなか…続きを読む
薔薇色のメヌエット
自宅の留守番電話から「ヤマザキさんのコンサートに行きたいと思います。よろしくお願いいたします」というメッセージが聞こえてきたときはとても嬉しかった。はじめての方から申し込みがあると、客層が末広がりに広…続きを読む
入 院
今年の五月のはじめ、突然襲ってきた腰痛は我が腰に重大な被害もたらした。あまりに凄いので、インド洋津波の第二波が迷走し、五反田で上に上がって我が腰にとりついたのかと思った。 最初の一ヶ月はトイレに行く…続きを読む
ポール・モーリアの想い出
夜中の二時半だった。最近覚えようと思っていたシャルル・トレネの「パリに帰りて」という名曲を、ベッド横のパソコンに取り入れたCDで聴いていた。《一ヶ月の旅行からパリに帰り、パリの街と郊外に住む母親に会え…続きを読む
シャンソン(フランスの歌)とフランス語
ボクがシャンソンを唄ってデビューしたのは1963年。素人同然で右も左も分からないような状態だったがチャンスに恵まれ、「兵隊が戦争に行くとき」と「エルザの瞳」をフランス語で唄い、あらゆるオーディションに…続きを読む
サヨナラ
6月の15日火曜日、よく晴れた心地よい日の朝9時、サラリーマンが仕事をはじめる時間に、プロモーターの内野二郎さんが永眠した。 77才の誕生日を迎えるまで、あと2週間ほどだった。 前の週の金曜日に、…続きを読む
釜山港に帰れ
2月26日、僕たちは釜山に向け出発した。 趙容弼(チョー・ヨンピル)が日本語で唄ったヒット曲「釜山港に帰れ」を思い出した。 前の日の天気予報で波浪注意報が出て心配していたが、波はハローと優しく迎えてく…続きを読む
フランスの夏・猛暑・2003
7月20日 ANA'NH205'成田発11時25分パリ行きの座席は、離陸して数時間たったころとても座り心地がいいことに気がついた。 その上、かく座席の前には 小さいテレビがついていて、映画はもちろん、…続きを読む
クイズ・ミリオネアフランス版と仏語発音
オルリー空港に着いて、小さな4個の車輪がついた旅行鞄をガタピシと押して歩い た。 27キロの重量がお互いに悲鳴を上げようとするが、上に乗っかっている手提げ鞄がそれを押さえつけている。 持ち主が時代の先…続きを読む